進行した歯周病に対する歯周組織の再生を目的とした、いずれもスウェーデンで開発された治療法。歯周病が進行すると、歯槽骨(しそうこつ)や歯根膜など歯を支えている組織が破壊されていく。従来の治療法としては、歯肉を切開し歯石やプラーク(歯垢)を除去する方法があるが、これだけでは歯槽骨や歯根膜の再生は期待できない。GTR法は、人工膜を用い歯肉が歯周ポケットという隙間に入り込むことを防止し、歯根膜や歯槽骨の再生を促す方法であり、2008年より保険適用となった。エムドゲイン法は、人工膜の代わりに、歯周組織の再生を促すことが確かめられているゲル状のたんぱく質(ブタの歯の組織から採取された歯の発生に関与するたんぱく質で、開発したスウェーデンのビオラ社によりエムドゲインと命名されている)を詰めることにより、歯根膜や歯槽骨の再生を促す方法。日本では、スウェーデンデンタルセンターの弘岡秀明院長がいち早く導入して実績を積んでおり、本法を採用する医療機関も増えてきている。