レーザーにより角膜を削り、角膜の屈折率を変えて近視を矯正する治療法。プロゴルファーのタイガー・ウッズやプロテニスプレーヤーのメアリー・ピエルスなどがこの手術を受けたことなどから、一般人の中でも急激に注目を浴びるようになった。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、1995年、角膜屈折矯正手術(PRK)を承認した。日本では、2000年1月に厚生省(現・厚生労働省)がエキシマレーザー2機種を正式に承認した。しかし、保険認可はされておらず、現状は個々の医師が個人的責任の範囲でこの手術に適したレーザー機器を輸入し、自費診療という形で施行している。最近では、PRK手術を改良したエキシマレーザー生体内角膜切開術(LASIK ; laser in situ keratomileusis ; レーシック)が主流になってきている。PRKは角膜の表面を削り落とすのに対し、レーシック手術は角膜の表面をマイクロケラトームという超微小かんなのような機器で削りフラップとして、その内部からレーザーを照射して角膜の屈折率を変えた後、フラップとなった角膜を元に戻す方法である。いずれの方法も熟練した医師が行うべきで、かえって視力が低下したり失明した失敗例も報告されている。日本眼科学会では、2000年7月にレーシック手術を含めたエキシマレーザー屈折矯正手術についてのガイドラインを発表した。