日本頭痛学会が中心となり厚生労働省研究班が2005年3月にまとめあげた慢性頭痛の診療ガイドライン。慢性頭痛は非常に頻度の高い疾病で、多くの日本人が経験しているとされるが、その標準的な医療プロセスの認知は不十分であった。本ガイドラインは国際基準に基づきながらも日本国内のエビデンス(根拠)を取り入れているところが特徴的である。慢性頭痛の多くは緊張型頭痛と片頭痛であり、それに群発頭痛を加えると慢性頭痛の大半を占めることになる。近年、片頭痛治療薬が普及し快適な治療が行えるようになったが、その使用方法などに標準的なガイドラインはなかった。また片頭痛の治療法と群発頭痛の治療法には共通点があるため、患者数の多い慢性頭痛の診療ガイドラインの策定が望まれていた。このガイドラインは3年ごとの更新を目指し、ホームページでも公表している。また、日本頭痛学会では「頭痛医」の認定を05年6月より開始した。