本来の意味は補足、付録だが、最近の栄養学では、食事の欠陥を補足強化する栄養素という意味で使われる。健康補助食品とも呼ばれる。従来の栄養学のように三大栄養素に重点を置きすぎたり、それぞれの栄養素が単独に働くという考えではなく、量的には少なくても非常に大切な栄養素が多くあり、それらが密に関連し、どれが欠けても全体に影響を及ぼすということがわかってきた。一方、先進国では、加工食品やインスタント食品などの急速な普及で、偏りが生じたり不足する栄養素が問題になってきた。そういった栄養素を便利に補足しようと考え出されたのが、サプリメントである。マルチビタミンやマルチミネラルと呼ばれるような健康食品がその代表である。本来の正しい食事を追求することが正当であるが、サプリメントは文明人の苦肉の知恵といえよう。しかし、個人輸入などの普及で安易に使用することにより、過剰摂取や不適正使用による健康被害も起きている。今後こういった、医薬品ではないが実際に何らかの効果を期待して使われているサプリメントの効用や副作用について、科学的根拠の調査を国や研究機関が積極的に行うことが望まれる。