化学物質過敏症とは、身の回りの化学物質に対して過敏性を持つようになり、頭痛、めまい、不眠、鼻炎、不安感、倦怠感など様々な症状を呈する病気。化学物質を大量に浴びた結果、過敏性を獲得してしまい、微量の化学物質に対しても反応を起こすようであるが、詳細はつかめていない。原因となる化学物質は多彩であり、排気ガス、ゴミ焼却時の排出物、農薬、シロアリ駆除剤、ホルムアルデヒド、たばこの煙などが考えられる。特に建築に使われる化学物質で発症した場合は、シックハウス症候群(sick-house syndrome)、学校の建材などが原因の場合はシックスクール症候群(sick-school syndrome)とも呼ばれ、化学物質過敏症の中でも注目されている。厚生労働省は1997年になって原因物質であるホルムアルデヒドに室内濃度の指針値を定め、現在は14物質の指針値がある。2002年には建築基準法などの改正で使用制限など法規制に乗り出した。