加齢とともに骨からカルシウムが溶け出し、骨量が減少し骨がもろくなる病気。閉経後の女性や高齢の人に多く見られ、寝たきり老人になる主な原因の一つでもあり、高齢化社会に向けて国家的にも対策が必要な病気である。原因としては、閉経後の骨粗しょう症はエストロゲンという女性ホルモンが急減するために起こる。一般的には老化に伴い腎臓の機能が弱くなり、ビタミンDの合成能力が落ちてカルシウムの吸収が低下することや、その他の骨形成能力の低下が原因といえる。もちろん、カルシウムの摂取不足も原因の一つとなる。日本人のカルシウムの1日所要量は600ミリグラムとされているが、現状では不足している。この1日所要量も引き上げるべきであるという意見も多く、老年期では800ミリグラム以上が望ましい。治療法はカルシウムの摂取を基本に、活性型ビタミンDやカルシトニン製剤などの骨吸収阻害剤、閉経後の女性には女性ホルモン補充療法などがある。欧米で承認されている選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、日本でも使用が検討されている。