先進国では、西洋医学の理論に基づいた医療が正式の医療として認知されているが、東洋医学や伝統医療、民間療法などそれ以外の療法を総称して代替医療と呼ぶ。漢方や鍼(はり)、気功、ハーブ、アーユルヴェーダ、サプリメントなどがあるが、その効果に疑問のあるものから、かなりの実績を持つものまで様々である。アメリカ国立保健研究所(NIH)で1992年代替相補医療研究室(OAC)が設置され、98年には独立した代替医療センター(NCCAM)となった。論理性を重視した西洋医学一辺倒と思われるアメリカの医学の中心的機関が、代替医療の研究に本腰を入れることで世界的にも見直されつつある。非科学的で実証的でないことから、効果の判断がつきにくく、代替医療を悪用する人や団体も後を絶たないだけに、こういった研究を国が支援し進めていくことは合理的でもあり、行き詰まる日本の医療保険の救済にとっても一つの助けになるかもしれない。