急性一過性低血圧症のひとつであり、横になった状態から立ち上がったときに収縮期血圧が20ミリ水銀(血圧の単位)以上、または拡張期血圧が10ミリ水銀以上低下するような病態を起立性低血圧症と診断する。症状として一過性の脳虚血によるめまい、ふらつきが多く、ときには失神することもある。原因として神経疾患、心臓や血管系の疾患、糖尿病性の神経障害、降圧剤などの薬剤による副作用などがある。急激な起立時にはこういった疾患がなくても同症状を呈することがある。特に高齢者に多く見られる。治療法として薬物もあるが、多くの場合ゆっくり立ち上がるといった生活上の注意等で対処する。