ウイルスと細菌との中間に属するマイコプラズマという菌の感染による肺炎。小児や若年者に多く発症するが、最近では高齢者の発症も増加してきた。4年ごとの流行傾向があり、オリンピックの年に多いとされてきたが、最近では毎年、季節にも関係なく散発性に発生することもある。発熱と痰が少ないからせき、咽頭痛、鼻炎症状などが主な症状である。潜伏期は2~3週間で、診断は臨床症状、胸部X線撮影、血清学的検査などにより行われる。治療によく反応し、抗生物質が有効であるが、再発や長く続く頑固なせきがしばしば見られることから、本疾患が疑われた初期より十分量の抗生物質による治療をすることが望まれる。一般によく使われるβラクタム系の抗生物質は無効なので、主治医が本疾患を考慮しているかどうか注意が肝要である。また、頑固なせきが続く場合はせきぜんそく、アレルギーせきなどとも呼ばれる。数カ月せきが続いたり、時にぜんそくに移行するという報告もあり、短期的なステロイド吸入剤による治療が有用な場合もある。