地域医療における医師不足の解消を目標に、自治体を中心として創設された医師と病院を仲介するためのシステム。就職を希望する医師と、医師が足りない医療施設とのマッチングを行い、当該地域の医療の質を高めることを目的とする。また出産や育児などで医療現場を離れた女性医師の職場復帰や、常勤では体力的に厳しいが非常勤勤務での希望がある高齢医師など、これまで有効活用されていなかった人材の登用も狙いの一つである。その背景には、小児科や産婦人科を中心とした、地方における医師不足がある。医師の派遣は今まで主に各大学の医局が担っていたが、若手医師の大学病院離れが進んだことで、多くの病院で必要な医師の確保ができず、医療の提供に支障をきたしたことも制度創設を後押しした。現時点では、医師の希望と病院が必要とする人材とのミスマッチにより、予定通りに運用できないケースも少なくないが、今後さらなる活用が期待される。なお、日本医師会では、厚生労働省の委託事業として、女性医師の復職におけるマッチングを支援する「日本医師会女性医師バンク」を2007年1月より開始している。