長期入院中の患者(主に小児科)に笑いを届けるため、病院を訪問してイベントやコミュニケーションを通じた心のケアを行う専門家(道化師 ; クラウン)のこと。アメリカの医師"パッチ・アダムス"が、笑いの効果を治療に生かそうとしたのが発祥といわれている。アメリカではホスピタルクラウン、ヨーロッパではクリニクラウンと呼ばれることが多いが、基本的には同様の活動である。小児科では、白血病や小児がんなどの治療のため、長期入院を続けざるを得ない子どもが少なくない。これらの患児は、家庭や学校などで社会生活を過ごす時間が十分に取れないことが多く、厳しい治療を行いながら一日中病院内で過ごすストレスは、精神面のみならず病気の治療にも悪影響を与える可能性がある。このような子どもたちに心から楽しむ場を与え、生きることへの希望を高めることが彼らの使命である。欧米で盛んに行われていたが、患者側・医療者側双方からの要請で、日本でも大病院を中心として徐々に広まりつつある。最近は長期入院の子どもだけでなく、外来・老人ホーム・被災地などにも活動を広げている。