掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひらや足の裏に無菌性の膿がたまった小さな水ぶくれ(膿疱)が多発して、寛解増悪(沈静化と再発のこと)を繰り返す疾患である。自覚症状としては、膿疱のかゆみに加え、骨や関節の痛みを伴うこともある(骨の痛みは前胸部に多い)。感染症ではないので他人にうつる心配はないが、水虫(白癬菌感染)と間違えやすいので注意が必要である。歯科金属や感染に対するアレルギー反応がきっかけで発症するケースが多く報告されているが、原因不明の場合も少なくない。原因がはっきりしている場合は、扁桃腺の摘出や歯科治療(金属などの除去)で軽快することが多い。しかし一般的には難治性の疾患であり、対症療法として紫外線療法やステロイド軟膏が用いられる。ビオチン(ビタミンの一種)の欠乏が疾患の原因との説もあり、ビオチン内服で治療を行っている医療機関もある。