内臓脂肪とは内臓の周りに蓄積した脂肪のこと。また、見た目には肥満ではなく、体重やBMI(body mass index)という肥満度を表す指数(22が標準、25を超えると肥満となる)も標準以下であるにもかかわらず、内臓脂肪が過度に蓄積している状態をかくれ肥満という。過度のダイエットや運動不足のため筋肉量が減少し、相対的に体脂肪が増えた状態や、体重増加が見られなくても、おなか周りだけが太くなった場合なども該当する。体重やBMIの数値が正常でも、こういったかくれ肥満は、動脈硬化性疾患との関係が深いということが最近の臨床研究からわかってきている。肥満には様々なタイプがあるが、動脈硬化との関連性という視点から見ると、2つのタイプに大きく分けることができる。見かけ上の肥満に多い皮下脂肪型肥満(下半身肥満)と、手足が細くおなかポッコリ体形の内臓脂肪型肥満(上半身肥満)である。後者の方が動脈硬化との関連がより強いことがわかっている。厳密にはX線CTによる、おへその高さの腹部断面画像の内臓脂肪量を測定して、内臓脂肪型肥満と診断される。メタボリックシンドロームの診断基準の腹囲測定は、その簡便法として採用されたものである。