アカントアメーバという、ゾウリムシの一種に属する原生生物の感染による角膜炎。コンタクトレンズ使用者の間で、患者が増加している。とりわけ、2週間程度で使い捨てるタイプのソフトコンタクトレンズ使用者に多く、レンズに付着したアメーバが、簡便化された手入れなどが原因で、表面に残存することにより感染する。初期症状としては、角膜にある神経の炎症による充血が見られるが、進行すると本来透明な角膜が白濁し、失明にいたることもある。主な治療は、角膜表面の洗浄、抗真菌剤の点眼や内服であるが、進行すると回復が困難になる。何よりも、コンタクトレンズの手入れを怠らず、正確で丁寧な洗浄を心がけることによる予防が大切である。1日使い捨てタイプを使用するか、眼鏡にするというのも一法である。