現在の最先端医学技術と知識を駆使した治療法のうち、統計または経験上から、実績や有効性が安定的に評価されている治療法。日本人が日常会話で用いる「標準」という言葉には、「平均的」「並の」というイメージがつきまとうため、誤解を受けることも多いが、十分な知識を備えた医師が、一般的に推薦するような、正当的で安定した最先端の治療法を指している。しかし、最近では医療技術の著しい進歩に追われ、一般の人が周知するころには次の標準治療が生まれていく、といったように定義があいまいになりがちである。そのためにも、多くの専門家の協力を得ながら、EBM(根拠に基づいた医療)を探求し、標準治療のガイドライン作りを進めて行く必要があるといえる。