大脳ニューロン(神経細胞)の過剰興奮によって生じる、反復性の発作を主症状とする脳の疾患。患者数は、100~200人に1人の割合と推計される。原因不明の特発性てんかんと、脳に明らかな病変が存在する症候性てんかんとに分けられ、症候性てんかんの原因には、妊娠、出産時における何らかの脳障害や頭部外傷、脳炎、髄膜炎、脳腫瘍(のうしゅよう)、脳血管障害などがあげられる。発作の種類は、脳全体に関与する全般発作と、脳の一部が関与する部分発作に分けられ、さらに症状のかたちにより大発作、小発作、欠神発作などに細分される。発作時は、意識障害と筋肉のけいれんが起こる。診断は症状経過と脳波で行い、症候性てんかんでは原因疾患の治療が大切だが、てんかん発作自体は薬物治療でほぼ確実に予防できる。ただし妊娠中の薬物治療や、投薬を終了する時期など、ケースバイケースでの問題点は残されている。