加齢によって、骨格筋の量や機能が低下している状態のことで、20年ほど前に老年医学者らにより提唱された病態である。その原因は、活動量の低下、脂肪の増加、栄養摂取量の低下、ホルモン産生の低下、生活習慣病や種々の疾患などとされ、無重力下におかれた宇宙飛行士にも生じる。治療としては、適切な栄養を摂取しながら、リハビリテーションなどで身体を動かして、改善することが報告されている。誰にでも起こりうることながら、高齢者の生活の質や家族の介護負担とも密接に関係し、転倒や寝たきり、生活習慣病の助長など、二次的な障害の原因ともなり、予防が大変重要である。そのためには、適度な運動と、栄養摂取を心がけること。また、特に筋肉量が減少する一方で、脂肪が増加することで生じる肥満をサルコペニア肥満と呼び、比較的若い世代の間でも問題となっている。