服薬などのタイミングを、生体の日内変動リズムに合わせて行う治療法。オーダーメード治療の一つといえる。身体のリズムには、1年間のような大きな周期もあるが、基本のリズムとして、1日24時間の概日リズムと呼ばれるものがある。この体内時計は太陽の光で調節され、体温、血圧、心拍など様々な身体の機能が制御されている。例えば、早朝、覚醒時には血圧が上昇し、活動に備える。また、睡眠中に、コレステロールが合成されることも分かってきた。従来、高血圧症の薬や高脂血症の薬は、朝食後に服用することが多かったが、最近では生体リズムを考慮して、夕食後や就眠前に服用する場合も増えてきた。胃酸を抑える薬なども、夜に分泌が多い人と、日中に多い人によって、適切な服薬時刻が変わってくる。最近では、抗がん剤の治療を夜間、未明に行うことで副作用を軽減できる可能性があることが、一部の施設で実証され、注目を集めている。