臓器移植とは、心臓、肝臓、肺、腎臓など生命を維持するために重要な役割を果たしている臓器が機能しなくなり、臓器を代替する以外に治療法がない場合に行われる。臓器の移植に関する法律(臓器移植法)が1997年6月に成立、同年10月16日に施行され、脳死者からの心臓、肝臓、腎臓、肺、小腸、膵臓移植が可能となった。脳死の概念や移植治療は海外ではすでに定着しているが、わが国では多くの議論に基づき、書面による意思表示、家族の総意による同意、厳密な脳死判定手順、実施施設の限定などガイドラインが定められている。日本では、99年2月に法に基づく最初の脳死心臓移植・肝臓移植が行われた。