身体の断層像を得ることができるCT(computed tomography)の新しい手法の一つで、被験者に対してX線管球がらせん状に連続回転して投影データを収集する方法を、ヘリカルCTあるいはスパイラルCT(spiral CT)という。従来のCTでは、一つの断層像を撮影中は、撮影台は停止している。これに対してヘリカルCTでは、寝台を一定速度で移動させ、同時にX線を連続的に回転照射して撮影する。この結果、通常のCTに比較して短時間に分解能の優れた三次元画像を得ることができるようになった。胸部撮影において、従来困難であった1センチ以下の小さな病変を捉えることができ、肺がんなどの早期診断が可能となった。また、通常のCTでは困難な大血管や気管の内腔の情報も得ることができる。循環器の分野においても、造影剤を急速静注し短時間で広い範囲を撮像し動脈相・静脈相などの血流動態を評価するなどの応用が行われている。