肉眼的に大腸の粘膜面に認められる限局性の隆起であり、通常良性のものをいう。日本では、食生活の欧米化に伴って増加傾向にある。男性に多く、高齢化とともに増加し、直腸、S状結腸に多く発生する。大部分の大腸ポリープは無症状であり、検診等で便潜血反応陽性の場合に注腸造影検査を行って発見されることが多い。注腸造影検査でポリープを疑われる場合には大腸内視鏡検査を行い確定診断を行う。大部分の大腸ポリープは大きくもならず、そのままでとどまっているが、一部のポリープ特に腺腫はがん化する可能性もある。最近の研究では、がん遺伝子やがん抑制遺伝子の変異によって、正常大腸粘膜→大腸腺腫→大腸がんと進行するといわれている(多段階発がん説)。大腸ポリープのがん化率はサイズとともに高くなるため、大きなポリープは可能な限り内視鏡的に切除するのが望ましい。また、切除後にも新しくポリープを発生する確率が高く、厳重なフォローアップが必要である。