診療中の患者を、別の医師に紹介する必要が生じた際に、先方医療機関へ提供される診療情報の要約書面。従来は単に紹介状と呼んでいたが、1997年から医療保険の報酬が設定され、それを機に診療情報提供書と呼ぶようになった。診療に際して、他の専門医などに依頼したほうが妥当と思われる場合や、患者側の事情で医療機関を変更する必要が生じた時に、患者の希望で医師が作成する。通常、保険からの報酬は2500円である。以前にも、医師の善意で紹介状が作成されることはあったが、まったくの無報酬であった。報酬の設定により、専門性の高い医師への紹介が活性化されたことは、医療のレベル向上に大きく寄与したといえよう。最近の病診連携の促進にも一役を果たした。しかし中には、紹介先の医師も指名していない簡便な内容の書面も存在し、詳細に作成されたものと同額になっているなど、問題は残されている。