男性生殖器の一部である前立腺が、何らかの原因で炎症を起こした状態。アメリカの国立衛生研究所(NIH)から提案されたカテゴリー分類では、(1)急性細菌性前立腺炎、(2)慢性細菌性前立腺炎、(3)慢性骨盤内疼痛症候群/前立腺関連疼痛症候群、(4)無症候性炎症性前立腺炎、となっている。急性経過をたどるものとしては、カテゴリー(1)が該当する。主に細菌が、尿道から前立腺に侵入することによって、引き起こされる細菌感染症である。起因菌としては、大腸菌が最も多い。症状は発熱、排尿時痛、頻尿、排尿困難感など。治療は抗菌薬がその中心となる。慢性経過をたどるものとしては、カテゴリー(2)(3)が該当する。特有の前立腺炎症状、いわゆる骨盤痛が慢性的に継続する状態で、原因は多岐にわたる。症状は頻尿、残尿感、排尿時痛、骨盤痛など。治療も抗菌薬から排尿障害改善薬、抗炎症薬、抗不安薬まで多岐にわたる。