乳がんの発症リスクが高まる遺伝子変異を認める人が、未発症の段階で予防的に、乳房内の乳腺を取り除く手術。特定の遺伝子BRCA1または遺伝子BRCA2に、変異と呼ばれる先天的な異常が見られた場合、70歳までに乳がんを発症するリスクは50~80%という統計がある。2013年、アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)が、本手術を受けたことを公表したため、日本でも急に関心を集めることになった。この予防医療に対する判断は、個人の人生観などによって差があるため、専門家の間でも是非の論議は煮詰まっていない。あくまでも本人の強い希望の下で行われ、保険適用もないために、100万円程度の自己負担が必要となってくる。乳房再建には、さらに同額以上の費用が必要となる。また、同遺伝子の変異があると、卵巣がんのリスクも上昇するので、卵巣の予防切除も行われている。