従来の手術にくらべ、体を傷つける範囲を最小限に抑える手術法。術後の痛みを減らし、回復を早めることでリハビリテーションの早期開始、早期退院や早期社会復帰を実現できる。医学用語における侵襲とは「生体を傷つけること」すべてを指す。近年の技術進歩で、従来よりも格段に侵襲の少ない手術法が開発されてきている。具体的には、開腹手術に腹腔鏡を用いることで20センチメートルほどの切開創を数個の小さな切り口に抑えたり、血管内カテーテルを用いて心臓や血管内の治療を行う、などである。手術に限らず、検査も含め、侵襲を軽減する治療法一般を低侵襲医療という。整形外科領域においても、人工関節手術など多方面で低侵襲手術法が開発されており、特に最小侵襲手術法やMISという名称で呼ばれ、最先端の治療法として注目されている。