頭部が、年齢別標準頭囲の平均値より標準偏差で2倍以上小さい状態の診断名。数千人に1人の発生率と推定されている。原因はさまざまで、染色体異常や妊娠中の母親のウイルス感染などによる先天性ものと、生まれてからの頭蓋骨の形成不全などによる後天性のものがある。頭の形の異常や、知的発達の遅れ、低身長、けいれん発作を伴うこともある。小頭症に対する特別な治療法はない。2015~16年にかけてブラジルを中心にジカウイルス感染症(ジカ熱)が流行し、それと一致して小頭症の胎児が急増した。さまざまな報告や研究から、ジカウイルス感染が小頭症を含む先天異常を起こすことが確認された。感染の拡大はほとんどが蚊による媒介だが、性行為による感染も報告されている。16年2月1日、世界保健機関(WHO)は、小頭症の集団発生に関して「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」と声明を出し、わが国では、16年2月15日にジカウイルス感染症は「4類感染症」に指定された。