妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧が見られる場合、または高血圧にたんぱく尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によらないものをいう。日本産科婦人科学会では、従来、妊娠中毒症と称した病態を2005年4月から妊娠高血圧症候群との名称に改めた。しかし、血圧変動のみに注意していると、母児の生命を危うくするHELLP症候群(ヘルプ症候群)や急性妊娠脂肪肝の妊婦の場合、適切な分娩時期を見逃す心配がある。浮腫やたんぱく尿のみを示す一部の妊婦は、従来の妊娠中毒症と同程度以上に危険な場合があるので注意したい。