以下述べるような配慮を行いながら、医療施設内で助産師が出産を取り扱うものをいう。日本では約1.0%の母親が助産所で出産し(厚生労働省「人口動態統計」)、その出産満足度は、病院や診療所での出産に比べてかなり高い。その理由として、同じ助産師による継続ケア、出産時に自由に選べる体位、会陰切開しない、母子同床、きょうだいの立ち会い出産への配慮などがあげられる。しかし、通常の助産所での出産では、大出血など緊急時の対応が問題となるので、その対応が可能な総合周産期母子医療センターなど施設内での助産所の設置が試みられている。複数の助産師がチームを組んで運営するなど助産師の負担軽減に配慮したり、リスクを伴う妊産婦に関しては産科医との早めの連携が必要である。また、別のシステムとして助産所の助産師のほか、開業産科医も施設を活用して出産に臨むオープンシステムの出産施設も注目されている。