人工的にかつ一時的に妊娠を防ぐ方法である。各家庭の経済事情、母子の健康状態、母体の年齢や生活環境、住宅事情による家族計画として行われる。排卵は、予定月経開始前の第12~16日(生理と生理のほぼ中間)に起こるので、精子の受精能力期間の3日を加え、次回月経前の第12~19日を禁欲するのが荻野式禁欲法である。基礎体温を測定し排卵期を知って行う場合は、高温期に入って4日目以降より次回月経までは妊娠しない。日本人の約80%はこれらを考慮しながらコンドームを使用して家族計画を行っている。コンドームの使用はエイズ等の性感染症予防の意味でもよいが、不本意に妊娠する確率は年間約10%と高い。ピル(経口避妊薬)は、海外では一般的に広く使用されており、避妊効果が優れている。ホルモンの組み合わせにより副作用の少ない低用量ピルが、日本では1999年に認可されたが、利用率は約1%と低い。子宮内にIUD(intrauterine device)を挿入する避妊法等もあり、産婦人科医に相談するとよい。