麻しん(はしか)と風しんを同時に予防するワクチン(予防接種として使われる薬)である。従来は幼児に別々に1回ずつ接種していたが、2006年4月以降、1歳児と小学校入学前年度の幼児に2回、MRワクチンを接種することとなった。麻しん対策を強化し、麻しん根絶を目指すこと、および風しんの流行を抑制し先天性風しん症候群(生まれつき心疾患、白内障、難聴を合併する病気)の発生予防に重点が置かれている。麻しんは01年に流行し、その後「麻しんワクチンを1歳のお誕生日のプレゼントにしましょう」をキャッチフレーズに麻しん対策の強化が行われ、患者数は減少した。しかし、おおむね5年ごとに流行が繰り返され、07年に再流行が見られた。この流行では、10~20歳代の発生が多かった。その防止のために、(1)現行の2回接種の堅持とともに、(2)大半が1回接種のみの世代に対する補足的ワクチン接種体制の構築が必要であり、13歳児と18歳児への再接種が実施されたが、摂取率は約半数であった。