それまでの健康状態や既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況および剖検によってもその原因が不詳である、原則として1歳未満児の突然の死亡をいう。厚生労働省研究班は2005年3月にSIDSのガイドラインを作成し、その診断は解剖検査に基づいて行い、窒息や虐待などの外因死と鑑別診断することとした。日本のSIDSは1980年代、窒息死とは別の疾患として一般に知られるようになったため、統計上は毎年増加した。しかし、欧米諸国が予防対策を実施し始めた95年をピークに頭打ちとなった。さらに「うつ伏せ」は「仰向け」に比して3.0倍程度、「人工栄養」は「母乳栄養」に比して4.8倍程度、「父母ともに習慣的喫煙あり」は「父母ともに習慣的喫煙なし」に比して4.7倍程度、SIDS発症のリスクが高まることを98年6月に厚生省(当時)が公表した。予防活動によって2002年には1995年の半数以下となり、その後も減少傾向が認められる。しかし、保育施設での集団保育開始1週間以内の乳児にSIDS発症率が比較的高いことも指摘されているので、対策をさらに強化したい。