気管支ぜんそくは、いろいろな刺激に対して気道反応性が亢進し、発作性の呼気性呼吸困難を繰り返す疾患である。室内のちりやダニに対するアレルギー反応として生じることが多い。西日本での調査によれば学童の有症率は、1982年3.2%、2002年6.5%と増加した。しかし、人口動態統計によれば全国の15歳未満児のぜんそく死は、1982年130人、2006年16人(小児人口101万人に1人)と、欧米並みに減少した。小児気管支ぜんそく治療管理ガイドラインは02年に大幅に改訂された。その要点は以下の通りである。(1)気管支ぜんそくの病態は、気道粘膜の慢性炎症である。(2)重症度評価に国際的な評価基準を採用した。(3)治療薬は、発作治療薬と管理薬に分けて使用する。(4)管理薬の主体は、気道の慢性炎症に対する抗炎症薬であり、吸入ステロイド薬が重要である。(5)治療継続のためには患者教育、セルフコントロールが大切である。なお、厚生労働省研究班はホームページ上で「喘息ガイドブック」を公表している。