自閉症は約2000人に1人、男子は女子の4~5倍みられる。その特徴は、(1)他者との相互的なかかわりを持つことの困難、(2)コミュニケーションの質的な障害、(3)常同的な行動(同じ動作の反復や、一定の動作へのこだわりなど)や、特定の活動、興味へのこだわりである。これらの対応としては、(1)人とのかかわりを拒否する場合、無理強いは避け、本人の好みのおもちゃや活動を通してかかわる、(2)コミュニケーション技能の獲得状況には個人差が大きいので、絵カード、文字カード、コミュニケーション・ボードなど適宜選択し、身ぶりや動作で表現できるように指導する、(3)常同行動を制止するとパニックになりやすいので、本人にわかりやすいスケジュールや、何々が終わったらしてもよい、という交換条件を提示する。なお、アスペルガー症候群は、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものをいう。これらの「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す児童生徒の割合は0.8%との報告もある。