諸事情のために育てられない乳児を匿名で緊急避難的に預かる設備、およびそのシステムの通称である。「こうのとりのゆりかご」と名付けられた赤ちゃんポストの運用を、熊本市にある聖粒会慈恵病院が2007年5月に開始した。「捨て子を助長する」という指摘の他、児童福祉法や児童虐待防止法などに抵触する心配はあるが、乳児の殺害を防止することが目的である。病院の外壁に、保育器につながる窓口を設け、乳児が置かれると職員に通報される仕組みとした。1986年には前橋市の施設に「天使の宿」と呼ばれる赤ちゃんポスト同様の設備が設置されたが、1992年2月に施設内で死亡した乳児が発見されたため、閉鎖されている。その間、十数人が預けられ、その約8割は1歳以上の幼児であった。