進行性に筋肉が萎縮(いしゅく)する筋ジストロフィー症のうち、最も頻度が高い病気。X連鎖劣性遺伝病の一つ。出生した男児約3500人に1人が罹患する。乳幼児期はほとんど症状が見られないが、4~5歳ごろに筋力低下が気づかれ、年齢とともに次第に進行する。中学生までに歩行不能となり、車いすの生活となる。治療により生命予後は改善しているものの、呼吸不全、あるいは心不全によって多くは20歳代で死亡する。筋ジストロフィーの臨床試験(治験)を日本で効率よく行い、より早く新しい治療法を患者に行うことを目的に、全国的組織である筋ジストロフィー研究班は、筋ジストロフィー患者登録制度(REMDY ; registry of muscular dystrophy)を設立。2010年末までに、600人以上が登録された。11年にはイギリスの製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)が、開発中の新薬の治験を、日本を含む世界で同時に行うと公表した。