救急患者を含むすべての命の危機にある子どもを治療する場。大人も含めて対象とする集中治療室(ICU)の施設基準に準じて設置されている。日本集中治療医学会によると、PICUは全国に18カ所、約120床しかない。ヨーロッパでは子ども人口約40万人当たり10床のPICUが原則である。これに準じれば日本は、約500床必要であり、先進諸外国と比較して、施設数、病床数ともに著しく少なく、1~4歳児の死亡率が比較的高い一因となっている。PICUの設置によって小児重症患者の病後の経過が改善されることは先進諸外国のデータで示されており、さらに、そこで治療を受ける子どものQOL(quality of life ; 生命・生活の質)の改善も十分に期待できる。日本小児科学会は、2004年「わが国の小児医療・救急医療体制の改革に向けて―小児医療提供体制の改革ビジョン―」の中で、中核病院は24時間体制の小児救急医療を提供するとともに、小児集中治療室を運営することが望ましい、としている。