妊婦が注意すべき、具体的な魚介類の種類と、その摂食量の目安についての通達。魚介類は、良質なたんぱく質や、生活習慣病の予防や脳の発育などに効果があるEPA、DHAなどの高度不飽和脂肪酸を多く含み、またカルシウムなどの各種微量栄養素の摂取源である。健康的な食生活にとって、不可欠で優れた栄養特性を有している。しかし近年、魚介類を介した水銀の摂取が、胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされている。そこで2010年6月、「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」が、厚生労働省母子保健課長から全国自治体の母子保健主管部(局)長に通知された。これは、05年11月の通知を改訂した内容である。もっとも注意喚起されたのはバンドウイルカ、次いでコビレゴンドウ。また、一般的な食材で、1週間あたり80グラム程度(切り身一切れ、または刺身一人前程度)までとされたのは、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチマグロなどであった。ただし、子どもや一般の人たちが通常食べる魚介類によって、水銀による健康への悪影響が懸念される状況ではない。