天然型の脂溶性ビタミンの一種。微生物が作り出すビタミンであり、人体内の腸内細菌によっても作り出され、納豆やチーズなどにも含まれる。一方、同じ仲間に属するビタミンK1は、緑黄色野菜、海藻、緑茶、植物油など、主に植物に含まれる。どちらのビタミンKも出血を止めるのに大事な栄養素であるが、新生児の体内には少なく、さらに母乳にも少量しか含まれない場合がある。ビタミンKが欠乏している新生児は、頭蓋(とうがい)内出血で亡くなったり、消化管出血(新生児メレナ)により黒色便を出すことがある。そこで厚生労働省は、出生直後、生後1週間、および生後1カ月の3回、ビタミンK2シロップ(ビタミンKを含むシロップ製剤)を経口投与するように指針で促している。しかし、一部の助産所では民間療法であるホメオパシーのレメディーで代替し、ビタミンK2シロップを投与していなかったため、厚生労働省は2010年9月、日本助産師会あてに注意喚起を促すよう通知した。