災害時における、小児の救急医療を担うシステム。心拍や呼吸状態に応じた蘇生、重傷者搬送などを要する急性期に続いて、ライフラインの復旧にともなう亜急性期では日常診療の再開、慢性疾患のある子どもの治療管理や急性増悪への対応、避難所などでの急病発生への対応や感染症まん延の防止策などがある。孤児、遺児の有無に関する調査は早期から必要であり、存在した場合には社会全体での支援が求められる。復興期に入っても子どもの心のケアは欠かさず、見かけは元気そうでも、身近な大人の精神状態を敏感に感じとることが多いので、その深層心理を見抜いて対応すべきである。医療活動としては、災害現場に負担をかけない、自己完結型の医療支援チームの結成が望まれる。また大学病院、医療機関、行政などとの話し合いによって、災害現場のどこで何が必要とされているか、情報収集に努めながら支援することも必要である。