妊娠中期に行われる、胎児の手術治療のこと。子宮切開による直視下手術、または子宮切開をしない内視鏡下手術などがある。最近では、胎児にとってより自然な環境に近いまま行えて、侵襲性がより低いと考えられる内視鏡下手術のケースが増えている。新生児がかかりうる外科的疾患には様々な種類があるが、その多くは出生前に発症しているので、出生するまで治療開始を待つと、病態が子宮内で増悪する心配がある。また、超音波検査の著しい進歩などから、出生前に治療を行う胎児外科治療の概念が生まれてきた。しかし、まだ発展途上にある医療であり、危険をともなう可能性もあるため、個々の患者の治療に関しては、倫理的な側面も含め適応の是非を十分に検討しなければならない。現時点で実際に適応となる疾患は、胎児期の比較的単純な形態異常で、もし治療しなければ妊娠の進行とともに悪化する場合である。