日本小児科学会が2011年にまとめた、「重篤な疾患を持つ子どもの医療をめぐる話し合いのガイドライン」案のこと。本指針では、すべての子どもに適切な医療と保護を受ける権利があることを前提に、小児医療に限界がある中で、重い病気を持つ子どもの生命維持にかかわる治療の差し控えや中止をめぐる葛藤の解決について言及。子どもの気持ちを尊重し、保護者と医療スタッフが対等の立場で話し合い、信頼関係の形成に努め、子どもの最善の利益について方針を決めるとした。その方針に沿った形で、話し合いのあり方、留意点やチェックリストを含む手順を示している。「生命維持治療の差し控えや中止の検討」についても明記してあるが、子どもの意思確認法は課題であり、発達や病状も一様ではなく、状況に応じて対応するなどの理由で、「治療差し控えや中止」の基準と子どもの終末期の定義は定められていない。同様に年齢の線引きも行っていない。終末期医療については、07年に厚生労働省が本人の意思決定を基本とする旨の指針を公表したが、子どもを対象とするものではなかった。