乳幼児期に脚のつけ根の関節が脱臼し、骨がずれたり、はずれてしまう病気のこと。先天性股関節脱臼ともいう。関節の発育が悪く、出生時には異常は見られなくても、その後に脱臼するケースが多い。そのため以下のような場合は注意を要する。(1)寝かせた状態で両脚を曲げ、ひざが外を向くように広げると開きが悪い、(2)両脚をそろえると長さが同じではなく、太ももや尻のしわも左右非対称、(3)家族に股関節の悪い人がいる、(4)女児である、(5)帝王切開も含め、逆子で出生している。本症は生後3~4カ月に、健診で発見される場合が多い。脱臼の程度が軽ければ、脚を締め付けずにおむつをしたり、脚をM字に開いて正面から抱くなど、日常のケアで簡単に治ることもある。加えて生後3カ月頃の早期発見・治療なら治りが早いが、1歳を過ぎてしまうと関節がはずれたまま骨の成長が進み、治りにくくなる。病状が進むと、歩き始めが遅くなる、片足が正常に動かず引きずるように歩く、しゃがめない、などの症状が出る。