筋線維の異常による、顔面筋を含む全身の筋緊張と筋力低下を主症状とした筋疾患の総称。ただし先天性筋ジストロフィー、先天性筋強直性ジストロフィー、代謝性ミオパチーなどは含まれない。筋肉が軟らかくなって、ぐにゃぐにゃするような乳幼児をフロッピーインファントともいう。新生児期から強い呼吸障害や哺乳障害を認め、乳児期早期に死亡する乳児重症型、乳児期より筋緊張低下や発育・発達の遅れはあるが歩行を獲得し、非進行性もしくは緩序進行性の経過を示す良性先天型、成人発症型の3つに大分類できる。そのほかの分類として、ネマリンミオパチー、セントラルコア病、中心核ミオパチー、筋線維タイプ不均等症、ミオチュブラーミオパチーのように、筋病理学的特徴に基づいた病名が付いているもの、非特異的筋原性変化を示すのみで分類不能なものに分けられる。さらに多数ある責任遺伝子のいずれかに、病因となる変異を認めるものもある。現在のところ、根本的治療法はない。必要に応じてリハビリテーション、呼吸障害や脊椎側彎(そくわん)に対する治療が行われる。