妊娠した女性や、出産をひかえた妊婦に対して行われる、精神的・肉体的な嫌がらせ。職場などにおいて、妊娠や出産を理由に受ける冷遇、差別、批判、いじめ、解雇や自主退職強要などの不当処遇等があげられる。こうした処遇は流産を助長する危険性をはらみ、労働基準法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法に違反する場合が多い。セクハラ(セクシャルハラスメント)、パワハラ(パワーハラスメント)と並ぶ3大ハラスメントでもある。近年は、妊婦に対する社会の気づかいや配慮を求めるためのマタニティーマークの着用があだとなって、電車内でわざとぶつかられたり、暴言を吐かれたり、嫉妬の目で見られるような体験する妊婦も増えている。日本では少子化解消への取り組みが急務とされる一方で、妊娠・出産・子育てをしにくい社会環境の実態が浮き彫りになっているといえよう。2005年に施行された次世代育成支援対策推進法では、育児休暇の取得、短時間勤務の利用率向上などに関する目標設定を企業に求めている。