筋肉は動物の運動器官である。骨に付着している骨格筋、心筋、内臓に存在する平滑筋の3種類の筋肉があるが、運動は骨格筋の収縮によってなされる。筋肉の収縮には、筋肉が収縮しても関節は動かない等尺性収縮(isometric contraction)と、筋肉の収縮とともに関節も動く等張性収縮(等張力収縮 isotonic contraction)がある。前者は重いものを一定の高さに保持したり支える時、後者は軽いものを投げたり移動させる時にみられる。筋肉を強化するには、等尺性収縮よりも等張性収縮を用いたトレーニングの方が効果的である。速い運動では筋の速い収縮、姿勢の維持には筋の持続性収縮が必要となるので、筋肉中には速い収縮のための速動筋線維と持続性収縮のための緩徐筋線維がある。肉眼的には、速動筋線維は白く見えるので白筋(はっきん)、緩徐筋線維は赤く見えるので赤筋(せっきん)とよばれる。筋肉中の血流量と血管の容積が大きいために赤く見える赤筋は、酸化エネルギーの貯蔵に適しており、疲労しにくく、姿勢の維持に適している。