競技能力を高めるために薬物などを使用すること。フェアプレーの精神に反するだけでなく、医学的にも競技者の健康を害することから、オリンピックや国体をはじめ多くのスポーツで禁止されている。1960年のローマ五輪で起きたデンマークの自転車選手の死亡事故がきっかけとなり、ドーピング検査が68年メキシコ五輪から導入された。IOCは99年の「ドーピングに関する世界会議」で「ローザンヌ宣言」を採択するとともに世界ドーピング機関を設立した。ソウル五輪の陸上男子100メートルで優勝したカナダのベン・ジョンソン選手はアナボリック・ステロイドの一種であるスタゾロール、シドニー五輪の女子体操で優勝したルーマニアのアンドレーア・ラドカン選手はプソイドエフェドリンが検出され失格となっている。アテネ五輪のハンマー投げで優勝したハンガリーのアヌシュ選手がドーピングで失格となり室伏広治選手が金メダルを獲得したのは記憶に新しい。