重要な生理的機能を持ったホルモンなどのたんぱく質を作る遺伝子を体内に導入する、バイオ技術を利用した最新のドーピングのこと。インスリン様成長因子(IGF-1)を作る遺伝子を導入したマウスは、筋肉が20~50%も増え、筋力も15~30%も強化した。筋肉の増殖を抑制するミオスタチンを作れないように遺伝子操作されたマウスは筋線維が増えた。現在のところ、技術的な問題や副作用への不安から実用化されていないが、北京五輪では実際に行われる可能性がある。遺伝子ドーピングは薬物と違い尿や血液の検査ではチェックが困難なので、確実な検査法の開発が急がれる。