損傷した神経の機能回復をめざす、新しいリハビリテーション。人間の脳を解明する、ニューロサイエンス(神経科学)を基盤としており、神経リハビリともいう。1996年、カンザス大学医学センターのランドルフ・ヌード博士が、脳梗塞(こうそく)で手指がまひしたリスザルに対し、指を無理やり動かす訓練を行ったところ、手指の機能を回復させることに成功した。これは、手指を動かす機能をつかさどる脳領域のすぐ隣にあって、手首を動かす指令を出していた神経細胞が、訓練により手指も動かすよう指令を出すようになったため、と考えられている。現在では脳卒中後の運動まひに対する訓練として、まひした手や足を強制的に動かすことが行われている。