ストレスになりうる外界の環境変化に対し、生体の状態を一定に保とうとする、生物に備わったシステムのこと。健康を定義する重要な要素でもある。アメリカの生理学者ウォルター・キャノンが、ギリシャ語の「homeo(同一の)」と「stasis(状態)」を合成して命名した造語で、日本語では生体恒常性と訳される。生体の恒常性を保つためには、変化した状態を元に戻そうとする働きが必要になる。人間は体温、血圧、血糖値などを一定に保ち、病原菌を排除することで健康を維持しているが、そこには体の働きを調整する自律神経系、ホルモン分泌をコントロールする内分泌系、病原菌から体を守る免疫系という3つが重要な役割を果たしている。