市民マラソンなどで一般ランナーに交じって出走し、参加者のケガや事故に即応する待機医。アジア最大規模の市民マラソン大会として、毎年3万人以上が出場する東京マラソンでは、NPO法人日本医師ジョガーズ連盟に会員登録した約50人の医師が、ボランティアでレースに参加している。10キロ地点の日比谷公園から1人ずつスタートし、参加者に気を配りながら、一定の間隔を保ちつつ1キロ8分のゆっくりしたペースで走る。東京マラソン2009では、14キロを過ぎた地点で倒れたタレントの松村邦洋が、駆けつけたランニングドクターの指示で人工呼吸と心臓マッサージを受け、自動体外式除細動器(AED)によって蘇生した。07年からの3大会で、合計3人が心肺停止状態となったが、いずれも迅速な手当てによって救命されている。